紅茶の選び方~産地の特徴~

自身の好みにあった紅茶は?一緒に食べたいスイーツやパンにあった紅茶は?最近の気分にあった紅茶は?今持っているものとはまた違う風味の紅茶は?

紅茶の種類っていっぱいあるけど、どれを選んだらよいだろう…?

そのヒントになるのが、紅茶産地ごとのおおまかな特徴を知ること。それによって紅茶選びが楽しくなります。今回はこちらのページで産地ごとのおおまかな風味の特徴を紹介していきます。

 

香り高い紅茶をすっきりとストレートで楽しむ
(インド・ダージリン)

ダージリンの茶園

世界三大銘茶の1つ。標高の高い地域で摘まれる香り高く繊細ですっきりした紅茶です。誰でも名前は知っている産地でありながら、インドの収穫量の1%に過ぎません。100%ピュアなダージリンかつ旬のものは高価。日本ではほかの産地の茶葉と混ざってもダージリンと謳えるのでダージリンと名のつく紅茶のおいしさや風味の良さはピンキリ。旬として抑えたいのは春摘み(ファーストフラッシュ)、夏摘み(セカンドフラッシュ)、秋摘み(オータムナル)。

ファーストフラッシュ

緑茶のような緑みのある香りや、花や果実のような甘い香りを持っていて、適度な渋みがあり、和菓子に合います。主にストレートティーがおすすめですが、アイスティーにも合います。すっきりしたい時におすすめの紅茶です。

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セカンドフラッシュ

紅茶のシャンパンと称される香り豊かな紅茶で、花や果実のような香りを持ち、マスカテルフレーバーとよばれる独特の風味をもつ紅茶もあります。卵を使ったお菓子や料理との相性がよく、主にストレートティーで楽しみます。

茶園やロットによって火入れの強さが異なるため、火香の香ばしさの強弱が紅茶によって異なります。

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オータムナル

ダージリンの秋摘みはファーストフラッシュやセカンドフラッシュと比べるとフレッシュな香りは控えめなものの、穏やかな甘みを感じる紅茶。火入れが強い紅茶が多く、香ばしさが強い。

 

モルティーな香り、甘さとコクをストレートやミルクティーで楽しむ
(インド・アッサム)

アッサムの茶園

標高の低い地域で摘まれる大ぶりの茶葉には力強いコクと甘みを感じます。アッサムでつくられる茶葉の主流は、細かく砕かれた形状のCTCと呼ばれるタイプのもので、少量でも強い渋味が出るため、飲み方はミルクティーになりますが、香りの面では弱いのが特徴。

一方、プレミアム品質の紅茶を生み出す茶園では、葉の形を残したままのフルリーフの紅茶がつくられます。旬は夏で、これらの紅茶ではモルティ―な(麦芽のような)香りの甘い紅茶となっており、ストレートでも楽しめます。また、ミルクティーではCTCタイプの紅茶に比べてマイルドなアッサムを楽しめます。油分のあるお菓子や料理との相性がよいです。

なお、2022年は高品質なアッサムの価格が非常に高騰しています。

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フルーツとの相性がよい紅茶を楽しむ
(インド・ニルギリ)

ニルギリの茶園

南インドの丘陵地帯。標高は茶園により異なりますが、渋みやコクのバランスがよいクセのない紅茶が作られます。もっとも旬といわれるのは冬から春にかけてで、柑橘を思わせるような果実のニュアンスがあり、フルーツを使ったスイーツとの相性がとてもよい紅茶です。

ストレートでもミルクティーのほか、レモンティーなどフルーツを紅茶に入れた「バリエーションティー」にも向いています。

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若葉と柑橘系の香りが楽しめるすっきりとした紅茶
(スリランカ・ヌワラエリヤ)

ヌワラエリヤ

標高が高い産地(ハイグロウン)で、すっきりとした紅茶がつくられます。発酵度合いが弱く緑茶にも通じる若葉の香が特徴的で、まろやかな甘みを楽しめるOPグレードと、爽やかでバランスのよい渋みをもつFBOPやBOPグレード、ともに人気です。和菓子にもよく合います。

ストレートティーで楽しむのがおすすめです。アイスティーにも向いています

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キリっとした渋みでミルクティーを楽しむ
(スリランカ・ウバ)

ウバはスリランカの標高の高い地域で、紅茶はきりっとした渋みが特徴です。モンスーンの影響で旬の季節はほかのスリランカの産地とは異なり夏で、この時期の紅茶はメントール香、ウバ香と呼ばれる清涼感のある香りが特徴です。(ただし強すぎるミントの香りがするものは天然のウバの茶葉の香りではない場合があり注意が必要とも)

ストレートで楽しむこともできますが、ミルクとの相性がよい紅茶です。

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紅茶らしい渋みとコクのバランスを楽しむ
(スリランカ・ディンブラ)

標高の高い地域でつくられる、いわゆる紅茶らしい紅茶と言われます。バラと称される深い香りやウッディさをもち、コクがあります。

多くのディンブラがBOPという細かく切断された茶葉で、蒸らす時間が長いと味が強くなります。濃く蒸らしてミルクティーで楽しんだり、短めに蒸らしてストレートティーで楽しめます。味がしっかりとしているため、焼き菓子など味がしっかりしたお菓子との相性がよいです。

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食べ物に合わせて、穏やかな甘みを楽しむ
(スリランカ・キャンディ)

キャンディ

スリランカで中くらいの標高に位置するキャンディは世界遺産の古都。

渋みは控えめで甘みを楽しめるのが特徴。穏やかでクセがなく、様々なお菓子や料理に合わせやすい万能な紅茶です。

ストレートでもミルクでも、フルーツを入れたバリエーションティーにも合い、また、アイスティーにも合います。

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濃厚で黒蜜のような香りとスモーク感を楽しむ
(スリランカ・ルフナ)

グナワルダナ

 

スリランカの中の低い標高の地域(ローグロウン)で、成長の早い大ぶりの葉から黒蜜の香りがする甘く濃厚な紅茶がつくられます。また、スモーク感も特徴のひとつですが、スモーク感の代わりに果実味のある紅茶もあります。

ミルクティーやストレートティーで楽しむのがおすすめです。

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黒蜜のような香りの飲みやすい紅茶を楽しむ
(スリランカ・サバラガムワ)

もともとルフナだった産地ですが、特徴の違いや生産量拡大により別地域となりました。ルフナに似た黒蜜のような香りの紅茶がつくられますが、スモーク感は控えめで、ルフナよりはややすっきりしています。もちろん、茶園や紅茶によっても特徴が異なるため、紅茶情報もあわせて確認ください。

ミルクティーやストレートティーで楽しむのがおすすめです。

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すっきりとして香り高い、旨みのある紅茶を楽しむ
(ネパール紅茶)

ネパール

インドのダージリンとも近く、気候が似ていることから、ダージリン同様に香り高くすっきりとした茶葉が作られます。

比較的小さな茶園も多い一方、たしかな製造技術がダージリンから伝わっており、手作業で丁寧につくられる紅茶も多いためとても品質が高い紅茶が出来上がります。

ファーストフラッシュは緑や花を感じる爽やかな香りの紅茶で、セカンドフラッシュはフルーティーな香りやマスカテルフレーバーを感じる紅茶もあります。渋みが少なくすっきりした紅茶の中に、うまみがしっかりとあります。

紅茶だけで飲んでも楽しめますが、ファーストフラッシュは和菓子との相性がよく、セカンドフラッシュは卵のスイーツや料理と相性がよいです。主にストレートティーで。

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渋みがなく、甘く香り高い紅茶を楽しむ
(中国紅茶)

中国紅茶

キームン

安徽省祁門県でつくられる紅茶です。茶園や製法によって春が旬の紅茶と夏が旬の紅茶があり、渋みがなく甘いのが特徴です。上質なものは燻製香が控えめで、蘭やバラを思わせる香りが楽しめます。

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正山小種(ラプサンスーチョン)

ラプサンスーチョンは松の木を燃やした煙で燻し香をつけた紅茶として有名です。品質のよいものの中には燻し香は控えめで、龍眼という中国の果実の香りがする紅茶があります。

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雲南紅茶

雲南紅茶は中国・雲南省でつくられる紅茶で、滇紅(てんこう)とも呼ばれます。軽い燻し香とカカオや蜂蜜のような香り、コクを楽しめます。

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 同じ産地でも特徴の異なる紅茶

ここまで産地の特徴をまとめてきましたが、同じ産地であっても味の特徴が少し異なることがあります。採取した年や月の違い、茶園の違い、使用する品種の違いや、製法・グレードの違いなどによって少しずつ香りや味が変わります。そのためより細かく好みに合わせるには産地を選んだ後に、その紅茶自体の特徴に目を通してみてください。

 TEA CLANで取り扱っている紅茶の、個別の特徴(一覧)はこちら

 

 

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