紅茶の基礎知識:ダージリンのグレード名
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ダージリンのグレード
紅茶名(産地や茶園名)の後に、OPやFOP、BOPなどのグレード名がつき、葉のカットの大きさや芽を含むかどうか等を表していますが、とりわけダージリンについては長いグレード名が目立ちます。
たとえば、FTGFOP1-CHやFTGFOP1-CL-TIP、SFTGFOP1-TIPPY-CLONALなど。そのほか、MUSCATELやMOONLIGHTとついている紅茶もあります。
一見、何がなんだかわかりづらいのですが、順番に見ていきます。
FTGFOPとは?
まず、通常の紅茶グレードの表現でもFOPという表現があります。FOPは、芯芽を含み葉の大きさのまま、あまりカットされていない茶葉です。FTGはFINE TIPPY GOLD。良い黄金色の芽が入っているという表現です。
そのなかでも出来のよいものは後ろに1がついたり、前にSがつくので、SFTGFOP1となったりします。(付け方に厳格な決まりはないようで茶園が名付けています。)
チャイナやクローナルとは?
茶葉の品種は中国種とアッサム種の配合による多くのハイブリッド種があり、マーガレッツホープ茶園やキャッスルトン茶園の例を出しますが、中国種寄りなら名前にCHINA(もしくはCH)、アッサム種よりであればCLONAL(もしくはCL)とつく傾向があるようです。
CLONAL(クローナル)種はもともと、挿し木によって増やした茶樹のことですが、厳密には中国種のクローナルもアッサム種のクローナルもあります。しかし、一般的にダージリンにCLONALとつくと、アッサム種寄りのハイブリッド種を指す傾向があるようです。(このあたりは前述のとおり茶園が名付け、基準も曖昧のようです)
マスカテルフレーバーとは
ダージリンセカンドフラッシュの特徴としてあげられるマスカテルフレーバーは、文字通りマスカットのような複雑な果実香味といわれますが、中国種寄りの品種(CHINA、CH)が出やすく、一方、CLONALとつく茶葉は花の香りが特徴になります。マスカテルフレーバーを純粋に楽しみたい場合は中国種のダージリンがおすすめですが、CLONALの中にも花の香りとともに後味にマスカテル風味を感じられるものがあり、厚みのある風味を楽しめます。
マスカテルフレーバーの定義ですが、もともとはマスカットの香りのするダージリンがあったり、ウンカという虫に噛まれた茶葉が生み出す甘い香りを指したりしましたが、製造工程の工夫でもともとのマスカテル風味に近いものをだしたものも一般的にマスカテルフレーバーと呼ばれ、とても曖昧です。
TIPPYやSPECIALがつくダージリン
なお、前述の茶園では、CHINAの上位グレードがSPECIAL CHINA(CH-SP)、CLONALの上位がTIPPY CLONAL(CL-TIP) と表現されるようです。
また、まだ月が出ている朝早くに採取したMOONLIGHTや、マスカテル香が強いMUSCATELという名前も付けられます。
茶園によっても命名ルールはバラバラですが、今回は当店で扱いの多い名園、キャッスルトン茶園やマーガレッツホープ茶園の名付け方を中心に説明させていただきました。他の茶園でも近い命名ルールでグレードがつけられているかと思います。